「おもちくんの親が頭おかしい」──SNSでこの言葉を見て、強い違和感を覚えた人は多いのではないでしょうか。
YouTube「星のミライChannel」で日々の様子を発信しているおもちくんは、世界でも前例となるほど珍しい先天性疾患を抱えて誕生しました。その姿に心を痛める人がいる一方で、「なぜ産んだ」「晒しものにしている」など、親への誤解や批判が生まれています。
しかし、その言葉の多くは“事実を知らないままの思い込み”によって拡散されたものです。
本記事では、「おもちくん 親 頭おかしい」が検索される背景を丁寧に紐解きながら、妊娠中に起きた事実、YouTube公開の真意、医療的ケア児と向き合う現実、そしてSNSでの誤情報まで徹底的に解説します。誤解を事実に変えることで、読者が冷静に思考できる材料を提供することを目指します。
おもちくんの親が頭おかしいと言われる理由と誤解
SNSで「おもちくんの親が頭おかしい」と言われるのは、事実を知らないまま刺激的な表現に反応してしまう人が多いからです。障害がある子どもを育てる親に対し、“なぜ産んだのか”“SNSに出すのはかわいそうだ”といった批判が並びます。しかし、実際には医療的な事情、時間的な制約、そして家族なりの前向きな理由が存在します。表面だけを切り取ると誤解が生まれますが、背景を知ると、多くの批判が的外れであることが見えてきます。以下では、その誤解を一つずつ丁寧にひも解いていきます。
おもちくんの親が頭おかしいと言われる背景と誤解
「頭おかしい」という言葉は非常に強く、感情的な批判の象徴のように使われがちです。おもちくんのケースでも、同じ言葉がSNSで急速に広まりました。しかし、その背景をたどると、多くの人が“状況を知らないままの早合点”で発言していることが分かります。
たとえば、「障害が分かっていて産んだなんて頭おかしい」という意見があります。これだけを見ると、親が軽率な判断をしたように見えてしまうかもしれません。しかし実際には、障害が明確になったのは妊娠22週。母体保護法上、人工妊娠中絶の上限は22週未満とされています。そのため、親の“判断”ではなく、“産むしかなかった”状況だったのです。
また、「YouTubeに出すなんてかわいそう」という意見もありますが、これも誤解の一つです。おもちくんの両親は、ただ再生回数のために投稿しているのではありません。おもちくんの病状は世界でも例が少なく、同じ症状の家族を探したい、情報を共有したい、そして“偏見のない世界を作りたい”という願いから発信を続けていると語っています。
さらに、医療的ケア児に対する理解不足も誤解を広めています。人は見慣れないものに不安や恐怖を感じ、攻撃的になることがあります。しかし、障害や病気は誰にでも関係する問題です。医療と家族の奮闘を知ることで、見方は大きく変わります。
つまり、「頭おかしい」という批判は事実ではなく、知識不足と早合点から生まれた誤解だといえます。
妊娠22週で判明した異常と「産むしかない」状況
「なぜ産んだ?」──SNSで最も多く見られる誤解がこれです。しかし、おもちくんの両親は“産むことを選んだ”わけではありません。“産むしか選択肢がなかった”のです。
妊娠22週の段階で、おもちくんの頭部に異常が指摘されました。頭蓋骨の形状、目の位置、骨の形成異常など、複数の問題が疑われました。しかし、その時点では病名も原因もわからず、医師も「出産後に状況を確認するしかない」と判断しています。
法律的にも、22週を超えた妊娠を人工中絶することはできません。これは医学的・倫理的観点から決められたルールであり、例外はごく一部の母体生命に関わる場合のみです。つまり、この段階で中絶という選択肢は存在せず、両親にできることは“生まれてくる命を守る準備をすること”だけでした。
妊娠後期に進むほど、赤ちゃんの状態はエコーでは判別しにくくなります。頭蓋骨の異常も、まぶたの欠損も、実際に生まれてくるまで医師でさえ把握できていなかったのです。この時期の両親の精神状態は想像を絶するもので、母親は自分を責めて泣き続け、父親は「どんな子でも大切に育てる」と支え続けたと語っています。
“なぜ産んだ?”という批判は、法律・医療・妊娠の仕組みを知らない人が放つ言葉です。真実を知れば、批判は成り立ちません。
YouTube公開が批判される理由と本来の目的
おもちくんの家族が批判される大きな理由の一つが、「YouTubeで子どもを公開しているから」というものです。確かに、子どもをSNSに出すことには賛否があります。しかし、批判している人の多くは“目的”や“背景”を理解しないまま感情的に反応しているだけです。
まず、おもちくんの症状は世界でも稀であり、医療現場でも前例の少ないケースです。両親は同じ症状の子どもを持つ家族を探すため、また情報交換をするために発信を始めました。YouTubeは、そのための最も影響力があり、同じ境遇の人に届きやすい手段だったのです。
次に、YouTubeが収益目的ではないことも重要です。再生数から推測しても、一般的な収入はオムツ代程度であり、生活を支えるレベルには到底及びません。むしろ、両親は動画編集に多くの時間を割き、日々の育児や医療的ケアと並行して行っています。これは“金儲け”ではなく“記録と発信”の活動です。
また、顔を出したのは「おもちくんを“かわいそうな存在”ではなく、一人の人間として知ってほしい」という強い願いがあったからです。障害に対する偏見を減らすこと、仲間を増やすこと、同じように悩む家族の助けになること──こうした目的が動画には込められています。
実際、動画を通して励まされた家族や、同じ疾患の情報を求める医療者からの声も多く寄せられています。
批判は“目的を知らない人による誤解”であり、家族はむしろ社会の偏見と戦いながら発信を続けているのです。
医療的ケア児を育てる現実と過剰な偏見
医療的ケア児とは、気管切開、胃ろう、人工呼吸器、酸素投与、頻回の吸引など、日常的に医療行為が必要な子どものことを指します。おもちくんは、まぶた欠損、頭蓋骨の形成異常、小顎症、眼窩欠損など複合的な先天性疾患を抱えており、「医療的ケア児」の中でも特に専門性の高いケアが求められるケースです。これらのケアは親が自宅で行う必要があり、実際の負担は一般家庭の育児とは比べものになりません。
まず、夜間のケアが圧倒的に多いことが挙げられます。おもちくんはまぶたがないため、睡眠中は目の表面が乾燥しないよう軟膏を塗り、ラップで保護します。乾燥し始めると感染リスクが上がるため、夜中に繰り返しチェックする必要があります。加えて、気管切開部分には痰が貯まりやすく、窒息を防ぐために吸引を何度も行わなければなりません。
こうしたケアは、一見すると「大変そう」「かわいそう」という感情を呼びやすいです。そこに医療的ケア児への社会的偏見が加わると、「親はなぜここまでして?」「苦しませているだけでは?」などの誤解が生まれます。しかし実際には、医療的ケアを適切に行うことで命が守られ、発達の可能性が大きく広がります。
事実、おもちくんは退院後、ケアの環境が整ったことで、手を伸ばしてボールを掴む、声に反応する、表情が豊かになるなど、医師が予想していなかった成長を見せています。これは“生かされている”のではなく、“生きている”ということを明確に示す証拠です。
医療的ケア児の育児は、努力と愛情に支えられています。それを知らない人ほど偏見を持ち、「親が頭おかしい」と批判してしまうのです。しかし、事実を知れば“批判”ではなく、“尊敬”が自然と生まれるでしょう。
SNSでの誤情報と「亡くなった」噂の拡散要因
おもちくんについて語られる中で、最も深刻だった誤情報が「亡くなった」というデマです。X(旧Twitter)にて、「おもちくん死亡」と書かれた画像が数万回拡散され、一部まとめサイトや掲示板でも誤情報が事実のように扱われてしまいました。しかし、この投稿は“完全なデマ”で、投稿者自身も後から削除しています。
なぜこのような誤情報が広まったのでしょうか。理由は主に3つあります。
①重い病気=すぐに亡くなるという思い込み
医療的ケア児に対する理解不足が背景にあります。重い先天性疾患=生命の危険、と短絡的に考えてしまう人が多く、根拠のない情報でも信じてしまうのです。
②別の「おもちくん」との情報混同
SNSには、別の赤ちゃんにも「おもち」というニックネームが存在していました。検索ワードが似ているため、関係のない情報が混同され、誤解に拍車がかかりました。
③センセーショナルな内容ほど拡散されやすいSNSの特性
人は衝撃的な内容に反応しがちです。悲しいニュースは、事実確認よりも先に“拡散”されやすいため、一気に広まったのです。
これらの誤情報によって、家族は精神的に大きな負担を抱えました。しかし、YouTubeの定期更新やInstagramでの発信により、「元気に成長している」という事実が共有され、デマは徐々に沈静化しました。
誤情報による傷つきは容易に消えませんが、それでも家族が発信を続けるのは、「正しい情報が届けば救われる人がいる」ことを知っているからです。
おもちくんの親は頭おかしい?語る実像と家族情報
SNSでは批判の声が目立ちますが、実際に公開されているインタビュー・ブログを読み取ると、おもちくんの両親は“非常に真面目で前向き”な夫婦であることが分かります。妊娠中から出産、その後の医療的ケアという過酷な日々を乗り越えながらも、「この子が生きやすい社会にしたい」と願い発信を続けています。ここでは、親のプロフィール、家族の価値観、YouTubeの背景、支援状況まで丁寧に紹介します。
おもちくん両親のプロフィールと家族構成
おもちくんの両親は、母・しほさん(33歳)、父・孝輔さん(27歳)の6歳差夫婦です。交際5年を経て2020年に結婚し、周囲からも仲の良い夫婦として知られています。第一子であるおもちくん(本名:未来くん)は2023年1月10日に誕生しました。
母親のしほさんは、妊娠中からブログを運営し、医療、育児、心境の変化を丁寧に記録しており、その文章からは非常に繊細で責任感の強い人物像が見えてきます。医療用語や調べた資料なども整理されており、我が子のためにできることはすべて吸収しようとする姿勢が感じられます。
一方、父親の孝輔さんは「スーパーポジティブマン」とブログ内で紹介されるほど、明るく前向きな性格です。妊娠中の不安定な時期、しほさんが泣き崩れたときも「大丈夫だよ」「どんな子でもうちの子だよ」と支え続けていました。
家族構成は以下の通りです。
- 父:孝輔さん(20代後半)
- 母:しほさん(30代前半)
- 長男:未来(みらい)くん “おもちくん”
この3人暮らしは、一般家庭とは比較にならないほど医療ケア中心の生活ですが、夫婦の協力関係は強固であり、互いの個性が補い合う形で成り立っています。
外部から「頭おかしい」と決めつけられる姿とは真逆で、家庭の内側には“強い愛情と冷静な判断力”が存在しているのです。
母・しほさんの妊娠中の葛藤と決断
しほさんが妊娠中に最も苦しんだのは、“何も分からないまま時間だけが進む恐怖”でした。妊娠22週で初めて「赤ちゃんの頭の形が気になる」と指摘され、そこから病名候補はあがるものの、どれも確定できない状態。羊水検査でも異常はなく、原因不明のまま妊娠後期に突入しました。
また、この時期の母親は強い孤独感を抱きやすいです。「自分のせいではないか」「育てていけるのか」という不安が押し寄せ、精神的に追い込まれます。しほさんも例外ではなく、インタビューでは「毎日泣いていた」と語っています。それでも、夫の支えや医師の言葉により、「生まれてくる子を守る」という決意へと変わっていきました。
彼女の決断は、感情的なものではありません。妊娠週数、医療的判断、リスク、そして母としての責任感。それらが重なり合い、最善と思える選択を積み重ねてきた結果です。
SNSで「軽率に産んだ」と誤解されるのは、こうした背景を知らない人が言う言葉です。しほさんはむしろ、誰よりも苦しみ、誰よりも考え、誰よりも強い覚悟で出産に向き合った母親でした。
父・孝輔さんの支え方とポジティブな育児観
父・孝輔さんの存在は、この家族にとって欠かせない柱です。妊娠初期から出産まで、彼の姿勢は一貫していて、「どんな子でも僕たちの子だよ」というスタンスを崩さず、常にしほさんの精神的支えになっていました。
特に印象的なのは、母親が妊娠中に不安で眠れず、涙が止まらなくなった夜の話です。「将来歩けないのかもしれない」「自分のせいかもしれない」と思い詰める妻に対して、孝輔さんは「大丈夫だよ」と繰り返し伝え、自分自身の不安を見せることはありませんでした。
さらに、医療的ケアが必要になってからも積極的に育児・ケアに参加し、気管切開の管理や呼吸器の扱いなど、専門的な技術も習得しています。「おもちくんの成長がうれしい」「一緒にゲームができる日が来るかも」と未来を前向きに語る姿は、父としての愛情に満ちています。
SNSで「親はおかしい」と批判する人は、彼の誠実さや責任感を知りません。夫婦の動画やブログを見れば、外から貼られたレッテルとは正反対の姿が見えてきます。
YouTube「星のミライChannel」が始まった理由
「お金儲けでは?」「晒して可哀想」という批判を受けやすいYouTube投稿。しかし、実際の動機は全く異なります。おもちくんの症例は世界でも極めて珍しく、同じ病状の家族はほとんど見つかりません。「仲間を探したい」「情報提供したい」という思いが大きな動機となりました。
また、両親は「偏見を減らしたい」という願いも語っています。障害や医療的ケア児を正しく知る機会は少なく、知らないからこそ怖がったり批判的になったりする人が多いのが現状です。だからこそ、日常を公開することで「普通の子どもと同じように愛されている姿」「家族が大切に暮らしている姿」を伝えたいと考えました。
さらに重要なのは、動画が“記録”でもあるという点です。NICUでの数ヶ月、在宅医療の開始、発達の変化。これらを残しておくことで、医療者や研究者にとって貴重な資料にもなり得ます。
収益目的という声もありますが、YouTubeの規模から見ると「生活費に使えるレベルではない」ことは明らかであり、むしろ投稿や編集にかかる時間を考えると“手間のほうが大きい”のが実際です。
現在の支援状況・ハルク財団との関係・収益化事情
おもちくんの家庭は、2025年に一般財団法人ハルク財団からの生活支援を受けることになりました。これは「医療的ケア児を支える社会づくり」を掲げる団体であり、経済的サポート、医療ケア環境の整備などが含まれています。決して“困窮しているから支援が必要”なのではなく、「重い疾患を持つ家庭を孤立させない」という公益的目的によるものです。
YouTube収益についても誤解があります。「稼ぐために見せ物にしている」という批判とは裏腹に、チャンネルの規模から得られる収入はわずかで、医療費や看護用品の足しになる程度です。動画編集の時間や手間を考えれば、むしろ労力のほうが大きいほどです。
また、InstagramなどのSNSには多くの支援者からメッセージが届き、孤立しがちな医療的ケア児家庭にとって精神的な支えになっています。訪問看護、技術スタッフ、地域支援者などのサポートも充実しつつあり、家族の生活は以前より安定しています。
支援を受けることは甘えではなく、「社会として子どもを守る仕組みが機能している」証拠です。それを理解しないまま批判する声こそ、偏見に満ちていると言えます。
総括:おもちくんの親が頭おかしいと言われる理由まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 「おもちくん 親 頭おかしい」という検索や批判は、事実を知らないままの早合点や偏見から生まれている。
- 妊娠22週で頭部異常が分かったが、その時点では中絶は法律上できず、「産むしかない」状況であり、軽率な“選択”ではない。
- 病名は確定していないが、頭蓋骨やまぶたの欠損など世界的にも極めて稀な先天性疾患で、医療的ケア児として24時間体制のケアが必要な状態。
- YouTube「星のミライChannel」は
- 同じ境遇の家族との出会い・情報共有
- 障害や医療的ケア児への偏見を減らす
- 成長の記録・医療的な資料としての意味
を目的としており、「金儲け」「晒しもの」が主目的ではない。
- 実際の収益はオムツ代程度で、生活を支えるほどではなく、編集・発信の手間の方が大きい。
- 医療的ケア児の育児は、夜間の吸引や目の保護など、一般の育児とは比べものにならない負担があるが、その結果としておもちくんは予想以上の発達(手を伸ばす、表情が豊かになる等)を見せている。
- 「亡くなった」という噂は、Xでのデマ投稿や別の「おもち」情報との混同、センセーショナルな内容が拡散されやすいSNSの性質から生まれた誤情報で、現在も生きて成長している。
- 母・しほさんは、妊娠中に強い葛藤と不安を抱えながらも、繰り返し医師や夫と話し合い、誰よりも悩み抜いて出産に向き合った。
- 父・孝輔さんは「どんな子でも僕たちの子」というスタンスで一貫して妻を支え、医療的ケアも積極的に習得するなど、非常に前向きで責任感の強い父親像が見える。
- ハルク財団などからの支援は、「重い疾患を持つ家庭を孤立させない」ための社会的サポートであり、甘えではなく“仕組みとしての助け”である。
- 全体として、「おもちくんの親が頭おかしい」という評価は、法的・医療的事情や家族の覚悟・努力を無視した偏見であり、実像は「困難な状況で最善を尽くしている家族」であることが分かる。
